Snail shell on grass leaf. Beautiful nature macro, useful as background

カタツムリを岩場で発見!

山の中腹にあるいつも静かな岩場に、クライミングに行った。
5歳になるウチの子と、
クライミングのパートナーさんの小2の子も一緒。

親は親で好きにクライミングをして、
こどもはこどもで、好きに遊んでいる。

遊んでいるといっても、山の自然の中でだから
手にするものも自然のものだし、
滑ってしりもちついて、泥だらけにもなる。

葉っぱをたくさん集めてきたり、
木の枝を薪にして、料理ごっこをしたり。

そんな中、カタツムリをつかまえてきた。
案の定
「持って帰る」
と言い出す。

持って帰って、
飽きたら、近くに逃がせばいいと思い、
とりあえず、こどもの言うがままに連れて帰った。

帰宅して、カタツムリはパソコンの机の横にカラのまま放っておいた。

翌日になってもそのまま。
もう生きてないのかと思ったが、良く見ると動いた形跡がある。

 

カタツムリはまだ生きている

こどもが
「ちゃんと世話するから」
というので、飼うことになった。

透明の虫かごを買ってきて、そこにカタツムリを入れる。

飼うといっても、虫かごには何を入れればいいのか。
かごはカタツムリの家だ。
そいつが生きていたときと同じ環境を作ってやればいいのだろうか。
拾った時にあった枯れ葉や枝を入れればいいのかな。

なにより、カタツムリはいったい何を食べるのか。

小さいころから触れ合っているありふれた生物でありながら、
いざ飼うとなると
自分はカタツムリのことはほとんど何も知らないじゃないか!

だから、こどもに教えられることなんか、何一つない。

山で捕まえてきたカタツムリを
こどもが飼うことになったはいいが、
いったい何を餌にしたらいいのか。

 

カタツムリの好きなもの

山でこどもが拾ってきていた木の枝や枯れ葉を
虫かごに入れてみる。

こどもが見ていた
カタツムリがインディ500のレースに出場するアニメ「ターボ」を思い出した。
そのアニメの中で、カタツムリがトマトの収穫をしたり、
トマトに突進する場面がある。

「カタツムリってもしかしてトマト食べるの?」
と思って、トマトを与えてみた。

他にキャベツやレタス、キュウリなども与えてみたが、
抜群に良く食べるのがトマトだった。

「カタツムリはトマトが好き」
というのは世界共通なのかもしれない。

野生のカタツムリはトマトなんか食べる機会はそうはないだろう。

あのアニメ、何もでたらめを描いているわけじゃなかった。

トマトの次に好んで食べるのがキュウリだ。
ニンジンとレタスも好きだ。
キャベツは食べるが、それほどお好みではないらしい。

もちろん、食べるなら排便もする。
それすらも知らなかった。
カタツムリの目はどこにあるのか、
どのくらい生きるのか。

なぞだらけだ。

 

マイマイ=カタツムリ

ものの本によれば、カタツムリの正式名称は「マイマイ」というらしい。
もっとも一般的なのが、カラにスジが三本ある「ミスジマイマイ」
拾ってきたカタツムリも「ミスジマイマイ」だ。

カラはなんと螺旋である。
アンモナイトなどと同じ。
なにか世界の起源を想起させる。

張り付いていた岩から無理やり引きはがされ、
こどもの手によって連れてこられたが、
カタツムリには、
「これで死んでしまうかもしれない」
という恐怖の感情はおそらく、ない。

また、新しい家を与えられ、餌までくれる「飼い主」に
感謝や愛情を示すこともない。
そんな情もないだろう。

不幸な飼い犬のように脱走を試みることもなく、
しかし逃がせば、「とうとう逃げられた」と思うこともなく、自然の中へ戻っていくだろう。

どんなに世話しても、何も返してはこないカタツムリに対して、
こどもは「かわいい」とか、
ピュアな興味でカタツムリを見ている。

大人になると、そんなピュアな興味はだんだん抱かなくなり、
何事にも見返りを期待している自分に気づいた。

カタツムリを逃がした日、こどもは・・・

後日談。

一週間余り、家族で旅行に行くことが決まっていた。

その間、
カタツムリはどうするのか。

餌も水もないなら、
もしかしたら帰って来た時には死んでしまっているかもしれない。

虫かごの彼らを生き続けさせるなら、
旅行の前に逃がしてやることが一番じゃないか。

そうこどもに話したら、けなげに
「わかった。逃がしてあげる」
といって、虫かごを持って外に出て行った。

しばらくして戻ってきた。
自分の手でカタツムリを逃がしてきたのだ。
そして、
目にいっぱい涙をためて言った。

「また、きっと戻ってきてくれるよね」

このやさしさ、この感情は宝だ。
思わずこどもを抱き寄せた。

カタツムリさん、ありがとう。