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「平均寿命」が伸びても幸せにはなれない?

平均寿命が世界でも最上位の日本だが、
長く生きることで何を得たろうかと考えたことはあるだろうか。

果たしてあなたはそれで幸せを手に入れられると思えるだろうか。

健康寿命というのをご存じだろうか。

平均寿命とは生まれてから何年生きられるかという期間の長さだが、
健康寿命は健康上の問題がない状態で日常生活をおくれる年数のことだ。

日本の場合だと男性で約9年、女性で約12年平均寿命と差がある。
つまりそれだけの期間介護などが必要な
不健康な状態で生きるということになる。

ちなみにこの「不健康な状態」の期間について、世界の他の国々で見てみると、
平均寿命の大きな違いほどには極端な差はなく、概ね10年前後である。

日本人の平均寿命は2013年のデータで
男性80.21歳、女性86.61歳。

ここから男性9年、女性12年を引いてみて欲しい。

こんなデータを見せられると健康寿命まであと何年あるかなんて考えてしまうが、
もちろん健康でいられる期間は自分の手で伸ばすことだってできる。

ここで考えたいのは、
幸せを手に入れるならどれだけ長く生きるかより、
どれだけ長く健康でいられるかが意義あることではないだろうかということだ。

 

不健康の要因1位は運動できなくなること

厚生労働省の調査によると、要介護となる要因の上位4つは以下の通りだ。

4.高齢による衰弱・・13%
3.認知症・・・・・・16%
2.脳血管疾患・・・・19%
1.運動器の障害・・・25%

気になるのが1位の運動器の障害だ。
4人に1人がこの要因で介護が必要な身になっている。

運動器の障害とは、
背骨や足関節(足の付け根や膝など)の疾患により日常生活が困難になることだ。

原因は骨折や関節疾患が多数を占めるが、
骨折については転倒などによる外的要因以外に
骨粗鬆症に起因するものも含まれる。

運動器の障害といっても
骨折も含めて生活習慣病が大きく影響していると言える。

この運動器疾患が急増するのは50歳台である。

突発的な疾患で、
後遺症もなく完治すればいいが、
治らない場合は死ぬまで体も心も患わされることになる。

いま、あなたは日常生活を問題なくおくれているだろうか。

もし何も問題ないとすれば、
それをいかに長く維持するかが、あなたの健康年齢となる。

男性9年、
女性12年
という不健康年数をいかに減らすかが、
高齢化社会の大きな課題といえる。

この年数が介護費や医療費などに大きく関わってくるからだ。

 

あなたの健康寿命を伸ばすには

これを国の課題として国がどう対処するのかを、
あなたは見守っているだけでいいのだろうか。

保険や「老後の備え」などといったことは
根本的なことは何も解決させられない。

国がどんな対策をとろうとも、
他ならぬあなた自身が
死ぬ間際までいかに健康でいられるか
と考えて取り組むことが、
一番あなたの幸福につながる。

それが結果的に国の課題への取り組みにもなるはずだ。

健康寿命のデータは、あくまで国の平均値であり、
あなたはただ社会全体の傾向を見ているだけと感じているかもしれない。

それを見て、
「ふーん、そうなんだ」
と思うだけというのが一般的な反応だろう。

その問題をあなた自身の問題に置き換えて真剣に考えるだろうか。

長年にわたり長寿の地域の取材をしてきたジャーナリスト、
ダン・ビュイトナー氏(ナショナルジオグラフィック協会フェロー会員)のことばは、
少しでも意識を変えてくれるきっかけになるかもしれない。

私たちはひたすら快適性を追求する文化の中に生きているが、安楽(ease)は病気(disease)につながる。苦難から逃げてばかりではいけない。苦難は、人々を結びつけることもあり、歓迎すべきことだ。

健康寿命のデータをなんとなく分かったつもりになって眺め、
快適なばかりの生活を求めても、
行く末は国の不健康年数のデータにあなたが加わってしまうだけかもしれない。

「苦難」とはニュアンスが違うかもしれないが、
病気にならず、
今の健康を維持するためには自分を律して
目標を持って何かに取り組むことが必要だろう。

再びビュイトナー氏のことばを引く。

目標を持つことは大事だ。自分の価値が何であるか、自分のしたいことは何なのかを正確に把握すれば、数年の長生きにつながる。

目標を持ったり、自分の価値を見つけようとすることは、
何も若い世代だけに許されたことではない。

あなたなら、
何を目標にして、
どんなことをするだろうか。

その方法論は、
背景にある考え方を理解することで、
登山以外にも応用できるものであるはずだ。